03/04/26〜27 徳島県三野町

突っ込め、山道。

姫路に入ったときの岡山市目標5時なんて、とうに無理な時間だけど、さすがにマップルおすすめルートなだけあって、気分よく進み、快調に宇野のフェリー乗り場に8時前に到着。

瀬戸内海を進む ちょうど8時のフェリーがあるらしく、ぱっとカブ夫さんを積み込んでもらえる。
とうとう海を渡るですよ。
家を出てから9時間半。
そろそろカブ夫もわたしも休憩タイムが必要な時間だし、ちょうどよかった。

待合室でマップルを見ながら、ルート決め。高松市に入るので、予定では竹清といううどん屋さんで半熟卵の天ぷらとうどんを食べる筈だったのだが、日曜日が休みってことで不可。これから向かうのが四国真ん中辺りの徳島のキャンプ場なので、そのルート沿いにあるうどん屋さんで日曜やっているところをリストをめくりながら検討する。こういう準備はいいよな、わたし。

近くのテーブルで同人娘さん2人が絵を描きながら、「如何に自分が同性の子からもてちゃうのか」系痛いトークを交わすのを聞きつつ、アネにメールを送る。今回は場所をどこと言わず、何をしたかだけを送るつもりなので、メールの内容も「海を渡る」である。

乗船してから1時間程で高松に着く。なんだ、四国って近いじゃん。船からカブ夫に跨って出るわくわく感と相まって、ツーリング気分が盛り上がって参りました。四国、サイコー。まだ着いたばっかりだけど。

リストで選んだうどん屋=長田に向かう。長田は金比羅さん近くの満濃町というところにあって、同じ交差点に小縣屋といううどん屋さんもあるらしい。天気はいいし、車は少ないのにスピードも出さず、幅寄せもしてこないし、やっぱり四国はいいですよ。独立すべきだね、日本から。

日本まんが昔話のような山 讃岐富士を望むカブ夫さん。
四国は山の形が可愛い。

長田はそんなに混んでもいなく、さりとて驚く程安くもなく、さらには固い麺好みのわたしの好きな味じゃなかった。おいしいことはおいしかったんだけど。ちょっと残念。

残り行路はキャンプ場へ一直線。ここからだと県道4号線を使えば、いい感じにいいところに出そうなので、のどかな田舎道をぶるるるるーっと走り出す。いや、天気はいいし、車は少ないのに……(以下略)。

楽しげに走っていたのも束の間、4号線が山道の様相を呈してきました。道の半分くらいを折れ曲がった竹が塞いでいるのは、先に進むべからず、という暗示なんですかね。よっこらせ、と横を通り抜けさらに進むと、今度は林道の入口にぶつかる。道、間違えた?いや、正しい道はぐねっと曲がって上るのか。

この曲がり矢印の具合って……? こういう看板が出てくると、ほんとに こういう道が出てくるということを学ぶ。

車1台分の山道だというのに、路肩付近や中央部には枯葉が積もるという恐ろしげな道を黙々と登る。ほんとにこれが正しい道なんかな?このまま進んだら、不思議の村なんかがあってさ、そこがちょうど100年に1回の奇祭の真っ最中でさ、迷い込んだ旅人たるわたしが生贄かなんかにされちゃったら、この道を載せた昭文社はどう責任を取ってくれるんだろうか?

山途中で徳島県に入り、無事、山道を下る。家を出てからすでに15時間経過。フェリーとうどん屋以外では、ずっとカブ夫さんに乗ったままの状態である。が、それもあとちょっとで終わる。山道を下った後は、県道12号線を東に向かうとキャンプ場の入口が見えてくると、先発キャンパーの人が電話で言っていたし。その通りに走っていくと、なるほど入口は簡単にわかった。そこから案内板も出ていてわかりやすいと言えばわかりやすいのだが、ほんとうにこれがキャンプ場につながっているのか、ちょっと不安になりかけた頃、キャンプ場に辿り着く。

一発でわかります。 昨夜から泊まっている先発キャンパーの人のテント。
「キャンプ場に着いたらテント探せばいいの?」の問いに「来ればわかるよ」と言った意味がよくわかる光景。
わかんない奴の目は節穴である。

バイクがないのでテントのところに偵察に行くと、入り口に置き手紙があった。すでに家化してますか?

とりあえずテント建ててから、ヘルメットの型の入った頭を洗いに近くのお風呂に行こう。1日の大半をかぶりものして過ごすなんて、よく考えてみたら正気の沙汰じゃないよな。苦労して箱を下ろしていると、名古屋からやってきたキャンパーの人たち2人が到着。置き手紙に盛り上がり、テントを建てた後、名古屋組の人はわたしのうどん屋リストを持ってうどん屋へ、わたしはお風呂へ移動する。

風呂上りにベンチでごろごろするのもいいかも。と、ベンチの上の葉っぱを払って横になるも、アブやら野犬やらが寄ってきて落ち着かないので、また出かけることにする。ここの近くには「うだつの上がらない」という言葉の語源になった、「うだつの町並み」というものがあるらしい。うだつがなんだかよくわからないけれど、町並みがうだつが上がらないんならそれはそれで見てみたい。うだつの町並みを目指して……迷ったので、手近にあった道の駅に入る。

次に会うキャンパーの人への土産を物色して、道の駅の案内所の付近で地図を眺めながらぼーっとしていると、職員らしきおっちゃんに声をかけられる。なにやら有無を言わさぬ切羽詰まったご様子である。

「ちょっとだけ、時間いいですか?」
「はぁ……」

どうもこの道の駅のビデオを撮っているらしいのだが、ちょっと人手が足りないらしい。それでぼんやりしているわたしに声をかけた模様。わたしの役割は受付のねえさんからパットゴルフの道具を受け取ること。撮影なんてことになるんだったら、そりゃわたくしも女子ですもの、そりゃいろいろと気にしますわね。

「あの、わたし、すごい汚い格好してるんですけど……」
「大丈夫です。映るのは手だけやから」
さよですか。

とはいえ、業務用っぽいビデオカメラでなめるように迫られると、映らないとは思いつつも引きつった笑顔を浮かべてしまいますよ。おかあさん、とうとう娘も手タレデビューです。

ものの2,3分の撮影を終え、おっちゃんに手タレ報酬のソフトクリームをもらって、うだつを目指す。うだつの町並み用の駐車場は17時で閉まってしまうとのこと。あと20分。見切れるのかな。

上がらないのか、うだつ。 多分、どれかがうだつ。
確かにうだつの上がらない町並みではあった。

帰り道の途中にあるスーパーに買い物によると、名古屋ナンバーのバイクが2台止まっているのを見つけたので、キャンパーの人を捜し、一緒にキャンプ場に戻ることにする。今日のキャンプは初めての人を含めて7名。長い1日がやっと終わるのでありました。