02/11/16 京都府園部町・大阪府能勢町
赤い妙見山
ズドラーストヴィチェ、同志カブノビッチ。
同志は、嵯峨野観光鉄道が「トロッキー」というイメージキャラクターを登場させたのを知っているだろうか?トロッコ電車を発泡スチロールで作られた健気な着ぐるみ・ 同志トロッキーである。
恐らく嵯峨野観光鉄道の会議では「トロッコだからトロッキーでどうよ?」という軽い気持ちで名前が決定されたであろうと推測できるのだが……京都の!鉄道が!赤い色の!トロッキー!どうして誰も止めなかったんだろう?
結構お年を召した方は、小さい「ッ」と大きい「ツ」を区別して書かながちじゃないですか。そのルールでいくと、トロッキー=トロツキーという連想が働いてしまうわけですよ。しかも、共産党の強い京都で。赤旗新聞の赤い色で。このトロツキストが!とかなんとか言われながら、トロッキーは働くのでしょうか?気になって仕方がないので、同志カブオノフスキーさんとともに革命の勝ち鬨を上げに行くことに決定。
嵯峨野観光鉄道は、京都の嵐山から亀岡までトロッコを走らせている。ついでに言うと、保津川下りもこの辺りらしい。嵐山はいつも混んでいる上、今週末にはパーク&ライドとやらの実験で車両の制限もしているため、亀岡方面に向かうことにする。

JR亀岡といえば、あのSATYの近くである。余裕余裕。
高槻の山も綺麗に紅葉している。オゥ、赤イデスネ。
長距離で漢を上げた同志カブノビッチは快調に山道を登っては下り、亀岡市に辿り着いたのである。
が、曲がり角を曲がりきれず、反対方向に進んでしまう同志カブノビッチ。流れに身を委ねていくと、朝8時から営業の勤勉なスーパー(同志さとう)があったので、トイレ休憩&店内で暖を取りつつ買い物をする。今日の予想最高気温は14度。11月下旬並の気温だそうである。家から出たところではすごく暖かかったのに、やっぱり山方面は寒い。がちがち言いながら、伊藤園の温かいお茶と井村屋の肉まんを購入。ここの中華まんはセルフで、自分で肉まんをトングで取る。危うく落としそうになるのをぐっと堪える。
駐輪場で食事をした後、今来た道を戻り、馬堀駅を目指す。亀岡駅から戻るってことは、この見えてる保津川沿いに下っていけば着く筈。保津川を渡り、保津川下りのお客に視線を送りつつ、川沿いを行くであろう道を選択。細い生活道路を登り……ニャン田さんの死体見ちゃったよ。なむ。……下る。と、また保津川下りのお客に視線を送り、保津川を渡る。戻る。保津川下りのお客に……。これを3回繰り返して、同志カブノビッチと協議した結果、同志トロッキーを慰問することは取りやめにする。きっと粛清されてしまったに違いない。
気を取り直して赤い紅葉狩りに出掛けることにする。来た道と違うルートを取ると、瑠璃渓という奇岩怪石ごろごろかつ桜・紅葉が美しい景勝地(関西ツーリングマップルより)を見ながら大阪に戻れるのである。こっちかな、と思う道を登っていく。

ちょっとうちの近くの住宅地に似ている雰囲気がないでもないが、こんな坂道を登って家に帰るのは嫌だな。
登り切ったところで、この道が瑠璃渓に続いていないと気づいたため、来た道を下る。
亀岡……迷い道くねくねの街。
ちゃんとしたルートを見つけるついでに、前回見つけられなかった府道6号線への分岐点も見つける。しっかりと看板に6の文字が書かれていた。なんでこれを見つけられなかったんだろう?謎は謎のままに置いておいて、快調に372号線・篠山街道を進む。この道、更に行くと「デカンショ街道」という名前になるらしい。デカンショ。そう言われても……。

おうよ、今の時速は30kmでさ。
つーか、何故赤鬼ドン?しかも、少し行くと黄鬼ドンが何の看板もなく、ぽつんと所在なげに立っていた。
青鬼ドンは見つけられず。

100円の白菜、小松菜、大根。200円のさつまいも。
300円の黒豆の枝豆。
黒豆の枝豆の試食が箱に入って置いてあったので、食べてみる。うん、普通の枝豆味。食べた後に、こんなお菓子の箱みたいなのにぽろっと入っている、いつのだかわからないゆでた枝豆を食べて大丈夫なんだろうかと不安になるが、死にはしないでしょう。恐らく。いや、誰かが農薬でも盛っていたら……。
財布にはきっかり200円しか小銭がなかったので、さつまいもを購入する。お金の入れ口に何か落書きがあるので読んでみたら、京都市左京区の主婦が「100円を入れたが、商品の蓋が開かなかった。連絡先に携帯から電話をしたが、つながらなかった」と訴えていた。確かにこういうのってなんか腹立つんだよね、無性に。金額の大小に関わらず。

車が何台も止まっているものの、盛り上がってない雰囲気。失敗したか?
カブ夫を駐めて、とりあえず、坂道を登ってみる。
あ、結構盛り上がってるかも。激しく紅葉中だ。

鍋倉渓との違いは、こちらにはカップルが多いということ。その辺にカメラを置いて「ピース」とかなんとか言いながらセルフタイマーで写真を撮っているわけだけれども、お前ら、ラブ&ピースか?ピースなのか?今時ピースなのか?そう言わないと、ピースを実感できないのか?粛清された同志トロッキーのことを考えたことはないのか?……やめよう。
ご老人の団体のかすかな賞賛の声を浴びつつ奇岩から奇岩へと飛び移り、カブ夫の元へ戻る。今見た風景を左手に眺めつつ、とろとろと坂を上がっていく。目を奪われるような風景があると、カブ夫が非力で遅いのか、それともわざと遅くしているのかがわからなくていいかも。
「うわ、サルや」
人気がなくなり、細い道になると、いきなり目の前の道をサルが横断しているのに出くわす。普段独り言を言わないわたしでも思わず声が上がってしまうのだが、こういうときの言葉って単なる説明の言葉しか出ないことって多くね?「うわ、びっくりした」とか「痛」とか。それはさておき、あのサルは純血だったんだろうか?それとも台湾ザルとの混血だったんだろうか?混血だと粛清されちゃうから、要注意だ。

やっぱり、黄色だよにゃー。
最近、近所でもよく見かけるけど。
このまままっすぐ家に帰ってもいいのだけれど、まだまだ12時にもなっていない。迷っていると、「妙見山」という表示が出てきた。妙見山、よく聞くな。「『能勢の妙見さん』身延山と並ぶ日蓮宗の霊場。大阪平野が一望できる」(関西ツーリングマップル)だってさ。身延山も知らないんだけど、行ってみよう。わたしは寺社仏閣巡りを好む女でもあるのだ。

結構きつい勾配かも。
途中、「路肩弱し」という標識が出てくるけど、だからといってわたしがなんかしたらいいのでしょうか?
「落石注意」も困るよな。
落ちている落石には注意できるけど、落ちてくる落石になんか対処できっこないしさ。
頑張って上がりきると、展望が開け、駐車場になる。駐車場、でかい。おばちゃん・おっちゃんの団体に混じって、駐車場横の山に登ってみる。おっちゃんの担ぐ三脚が当たりそうなのを避けながら登ると、小さな祠がある山の頂上に着く。これが、妙見さん……?どうも目指す本殿ではないっぽいので、毒キノコを見つけながら下りる。本殿は逆側だった。

しかも、この金色のマーク、なんなんだろう?
ちょっと不思議ムードが漂っている。
参道の階段の途中にはほうきで掃除をしているおばあさんがいるのだが、この人がどうも不思議な感じの人で、通る人通る人に話しかけているのはいいが、抑揚のない甲高い声で何を言っているのかわからない。明らかに話しかけてきてるんだけど……。しかも、どこからか野良犬っぽい犬が出てきて、階段の間の鉄柵に尿をかけ始めた。いいのか?妙見さんよ。なんかやばげじゃね?

日蓮宗って、古いですよね?鎌倉時代くらいですよね?新興宗教じゃないですよね?
この建物は、なんだかとっても新しい宗教の香が漂っているのですけれど……。
本殿へはこの建物の左側を迂回するか、右側の階段を下りてこの建物の入口の横を通ってまた階段を上がるかしかない。迷わず入口コースを選択する。入口では靴を脱いで中に入るらしい。中には郵便局もあって、温かいお茶が飲めるとのこと。きっと、勧誘されちゃうに違いないよ。いろんな宗教にさ。

日蓮宗=寺だもん。でも、鳥居なかったけ?そういや、寺は手水あったっけ?わけがわからん。ここって、もしかして神仏習合?まあ、なんでもいいんだけど。
カブ夫につける交通安全のお守りと、参道の入口の店で売っていた気になる亥の子餅を買う。亥の子餅。紫の上をヤっちゃった光源氏が枕元に用意させたあれ。さぞかし雅なお味がとわくわくしてみたけど、単なる蓬餅にあんこの入った代物だった。餅の食感は、正月に家でつくやつと同じ感じ。
なんだか不思議な妙見さんを下りて、カブ夫をバイク屋さんで点検してもらって、今日は終了。いつもより短め100km程の旅でした。