02/10/05 奈良県山添村
めえめえ牧場に行ってきました。めえ。
大体が女の人って、例え自分が100倍くらい積極的であっても、「彼がどうしてもって言うから」的な「望まれて仕方なく」の自分を演出したいもんだと思うんですけど。そんな微妙な女心が……まあ、いいや。
そうまでしてヨメを募りたい山添村がどんなところなのか、山添村にあるめえめえ牧場はどんなところなのか、気になる気持ちを抑えきれず黄嶋カブ夫を走らせることにしたのでした。ぶぶーん。

2002年10月5日土曜日朝
68.5kmちょっと。
まだまだ初々しい黄嶋カブ夫なのである。
とはいえ、3度目の乗車。初めての府外。大阪市内を抜けるのも怖そうなので、ここはひとつ早起きで行こうと、平日タイムの6:20に目覚まし時計をセット。7:00には家を出る予定。が、1時間寝過ごす。しかも目覚めた瞬間平日と勘違いして、「会社に間に合う?」とパニックになってしまったのが、なんとも情けない。
気を取り直して、8:00に出発。緑1という交差点がやや混雑していたものの、163号線は空いていて、周りの建物を余裕持って眺めながら慣らし運転30km/h。
奈良に入って高架っぽい道路に入る。なんというか、こう、「人や自転車は入ってくんなよ。押忍」という風格のある道路(が、自転車を押した人が1人歩いていた)。周りの車の速度がどんどん上がる。わたしも頑張ろうと思ったけれど、怖くて40km/hを出すのが精一杯だ(法定速度オーバーだけど)。そうか、慣らし運転とは自分が速度に慣らされている運転なのか。と一人合点しながら端っこを走っていると、どんどん車が追い抜いて行く。怖いけれど、抜かれまいと真ん中を走ったらそれこそ迷惑極まりない障害物になってしまう。トラックも多い。トラックは怖い。長いトレーラーに追い抜かれたとき、予想外に車体が長すぎて最後の頃巻き込まれそうになった。長いですよ、とか言って欲しい。前もって。
トンネルを抜け(トンネルって速度が出るのは何故だろう)、坂道を下り、京都府精華町に入る。奈良じゃ……?トンネルの中で、ガソリンがどのくらい入っていたか気になったし、地図も見たいので、コンビニに入る。ポンジュースを飲みながら、ガソリン確認。大丈夫。地図確認。合ってる。再出発。脱穀しているところを見たり、ちょっと街中っぽいところを抜けたりして、川沿いの道に出る。うわー、なにやらツーリングっぽくね?調子に乗って、鼻歌をうたってみる。ボーーーン・トゥ・ビ・ワァァーイ。絶好調!と思っていたら、自転車ライダーの人たちに抜かれてしまったので、歌を自粛する。でも、走りは絶好調!時速30kmがうなりまくり!と思っていたら、三重県まで突き抜けてしまったので、すごすごとUターンして帰ってくる。
そうだった。わたしは地図が読めない女なのだった。地図を見て目印をちゃんと確認していても、何故か目印を見落とす。というか、地図上の目印を過大評価しすぎるため、実際の目印を見落としちゃうんだよな。理想と現実のギャップというやつかしらん?それに道も過大評価している。須らく国道というものは少なくとも片側一車線を備えているべきで、決して細い山道が国道であってはならないのである。何故ならわたしが不安になるから。府道もそれに準じなければならない。市道は許す。あと、色もつけておいて欲しいな。
地図と同じ色。それだったら、右に緑の道があるから曲がらなきゃ、ってわかるし。……駄目?
細くて勾配がきつめな道に不安になったので、人に道を聞く。オウ、県道6号線ハコレデスカ?番号で言われても……とのお答え。そりゃそうだわな。気を取り直して、目印である柳生小学校の名前を連呼する。ヤギュウヤギュウ。どうやらこの道であっているらしいので、気を取り直して登る。目印の柳生小学校はわからなかったけれど(そんなもんです)、標識に「6」と出ていたので安心し、快調に進む。そういえば、柳生は剣術の町らしい。へえ。柳生十兵衛か。こういうのを好きな人はやたらと詳しいが、興味のないわたしは寡聞にして名前くらいしか知らない。

その先にある曲がり角はゴルフ場に通じているらしく、ゴルフ好きっぽい車が行き来していた。
ちなみにここまでの山道はやや急で、結構暗い。
比較的広めの道を抜け、目的の山添村着。普通の田舎の村という感じかなあ……。取り立てて何があるというわけでもないけれど、取り立てて何がないというわけでもない。都会ッ子が見たら、うわーとかなんとか思うのかもしれないが、実家から山の方にちょっと行くとこんな感じのところ、あるもんな。どうしてこの村の人が大会を企画しちゃったんだろう?計り知れない諸事情があるんだろうな。
で。村を抜け、神野山という標識を目印に進む。「神野山→」という標識があったので右折してみると、すごい坂。カブ夫、行けるのか?3速→2速と首をがくっといわせながら、シフトダウンする。それでもきついので、1速に変える。ぶるぶるぶる。頑張れ、カブ夫。右手に羊毛館の駐車場があるけれど、まだ上がありそうなので、ここはひとつポジティブぶってさらなる高みを目指したい。ぶぶるぶる。左手に羊が見える。サフォークですよ?めえぇですよ?

と言っても過言ではない。
というか、それが目的。
手作り感がたまらなくいい味出してる。
内なる興奮は胸に秘め、やっと上の駐車場に辿りつく。羊が遠くなっただけじゃん。すぐ下りるのも癪なので周りを見渡すと、「↑山頂・W.C」の標識が。山頂があるなら、登ってみねば。手も足もぶるぶるいっているけれど、木でできた階段を軽快に上がりだすわたし。人と会ったときに余裕たっぷりなところを見せ付けてやりたいと思っているのに、誰にも会わない。木の階段もなくなり、蜘蛛の巣が増えてくる。しかも、やたらと大きくて頑丈なやつで、獲物がかかってるやつ。これって人も通わぬ道ってやつではなかろうか?果たしてこれが正しい道だったんだろうか?こんな山で誰かにヤ(犯)られてヤ(殺)られてヤ(埋)られちゃっても、誰も気がつかないんじゃなかろうか?今日わたしがめえめえ牧場に来ていることを知っているのだって、会社のイクコ様のみだし。実家の家族に至っては、わたしがカブ夫を所有していることさえ知らないし……。
怖さを紛らわすため、関西ツーリングマップルを振り回しつつ、がそがそ歩く。山頂の展望台とやらは木で組んだ櫓みたいな感じのもので、そのてっぺんに男の人が1人いるのが見える。……うわー、あの人が変な人で、ヤられてヤられちゃったら……。
トイレに行きたかったのを思い出し、そこを素通りしトイレ探索をする。あった。けれど、暗い。中に入る。当然汲み取り式。でも、ちゃんと紙がある。でも、暗い。こんなところで幽霊が出てきて、ヤ(憑)られてヤ(殺)られちゃったら、あの展望台の男の人だって気づくまい。変な人って決めつけてごめん。何かあったら電波飛ばすんで、女子トイレに飛び込んできてください。
また道に戻ると、男の人は夫婦で山を登っている様子。なんだ、最初っから近くにいろよ。とお門違いな軽い憤慨を向け、展望台に登る。霞んでいて余り景色はよくない。10月だってのに、30度近くある陽気じゃさもありなん。山を下り、坂を下りて羊毛館にカブ夫を残し、わたしmeetヒツジ。めえめえ鳴くのはヤギさんって相場が決まってるじゃろ?と思っていたら、ヒツジもめえでした。ごめん、ヒツジ。毒気がなさすぎてパラダイスにはなれないけれど、のどかでいいところでした。しかし、AM放送をヒツジに聞かせているのはなにかいい影響があるのだろうか?
また坂を下り、ちょっと先の鍋倉渓というところを見に行く。大きな黒い岩が川状にごろごろとなっている奇観である。すごい。すごいんだけど、村ではあまり力を入れてないのだろうか?駐車場と木の橋や階段があるくらい。わたしだったら、売店作って岩饅頭と鮎の塩焼きと味噌田楽を売るね。
近くの直売所でしめじと自家製玄米茶、およびこんにゃくを買い求め、お買物カゴに入れて帰途に着いたのでした。ぶぶーん。